*short*

□嫉妬
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今朝…いつも通りに登校して授業受けて、放課後課題のプリントをしながら真田が部活終わるのを待ってた

所までは覚えてるんだけど、いつの間にか寝ていたみたいで気づいたらとっくに部活が終わる時間が過ぎていて、急いで下駄箱に向かうけどほとんどの人は居なくて彼も、その1人だ…


(まぁ…約束してた訳じゃ無いんだけどさ〜)


「ってか携帯持ってるんだから、持ち歩けっての…」


風紀委員だか何だか知らないけど、必要無いとか言って家に置きっぱ何だもんな…

メールしたって、意味無いって〜の…



「……名前?」


「ん……あ、精市」


「こんな時間までどうしたの?真田はもう帰ったけど…」


「待ってたんだけど、寝ちゃっててさ〜」



へへっ 何て笑ってみるけど、きっとひきつってるんだろうな…



「そっか…なら、暗いし一緒に帰ろっか?」


「うん!」




精市のこういう気づかいは時々感動する
多分、真田なら たるんどる! とか言ってお説教モードに入るんだろうな…




「全国終わったのに、みんな練習熱心で頑張ってるよね〜」


「うん、高校では絶対に全国制覇したいしね」


「何かテニスにヤキモチ妬きそうな位、頑張ってるよね(笑)」


「真田とはどう?あいつ、不器用だからちゃんとデートとかしてる?」


「あ―…ううん、真田も忙しいみたいだし休みの日もトレーニングしてるよ」



デートどころか一緒に帰る事だって私が動かなきゃ無理…
真田から、一緒に居たい何て聞いたこと無いし…



「本当は…居なくても変わらないんだろうな」



ボソッと呟いたけど精市にははっきり聞こえた見たいで、優しく頭を撫でてくれる

不意討ちの優しさに目頭が熱くなってくる



「そんな事ないよ…大丈夫」



「だっ…て、電話もメールもしてなっ」



もう言葉にならない言葉で必死に話すけど、余計に瞳から雫が溢れてくる感覚が強まる



「……名前」



「…んっ?」



「……俺にしなよ」



「え………」



精市?



「俺なら…泣かさない、不安な気持ちになんてしないから……俺と付き合お?」


「………っ」




急な告白に頭が回らない…
何…?
今、精市何て言ったの?


頭がグルグルして回らないで居るのに、精市の指が涙を拭いてくれたと思ったら、そのままギュッと優しく抱きしめられて




「せ…いち?」



「俺じゃ…ダメ?」




回された腕に力が込められ、暖かさが私を支配する…けど


「精市…私っ――――」









「そこまでだ」



「っ!!?」








...
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