*シノグロッサム*
□噂
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「名字名前です、よろしくお願いします」
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「おつかれ」
「あ…ありがとう;」
昼休みの屋上
真から、ペットボトルのお茶を受け取り喉に流し込む
「立海の女の子ってパワフルι」
「氷帝は違ったの?」
朝の自己紹介から、休憩時間という時間は質問責めの嵐
「違ったって言うか、いかにもお嬢様って感じで直接話しかけられた事は無いかな」
「ふ〜ん?でも、一気にこのままモテ男になっちゃったら面白いのにね?笑」
「冗談;」
何度も練習した言葉使いで話し、用意してきたお弁当をつつく
"転校生"が珍しいのか、好意を持たれるのは嬉しいけど机の回りを囲まれると、どうしようもなく困る
「それより、真が人気ものだなんて知らなかった」
「人気ものって…普通だよ?」
嫌…クラス内を見ただけでも、大半の男子は好意を寄せてるのは一目瞭然だ
「それはそうと、名前部活は?」
「ん〜…入らないかな」
「え―!!」
「バイトもしたいし…真はテニス部のマネだっけ?」
「ぴんぽーん♪何でバイト?一緒にマネしようよ〜」
「ヤだよマネージャーだなんてι俺、男だぜ?」
「つ―ま―ん―な―い―!!」
「わがまま〜(笑)」
お弁当の卵焼きを真の口に放り込み、私もご飯を飲み込む
「真と一緒に居たいけど、こんな機会いつ来るか分かんないから、普通の生活してみたいんだ」
「普通の生活?」
「うん♪独り暮らしもそうだし、バイトして買い物したり放課後寄り道したり」
「普通、だね?」
「でも、私の"普通"は違うから…せっかく解放されてる今、やりたい事をやるんだ♪」
私の "普通" はいつも制限され
誰かに見張られての生活が、たとえ一年だけだろうと変わるのなら、今までやりたかった事を経験してみたいんだ
「仕方がないな〜もう」
「真?」
「私も、普通に付き合うよ」
「 くすっ ありがとう」
「あとさ、」
「ん?っておいっ!!」
「ぺったんこ…どうやって胸、隠してんの?」
「ぺった…っ、どうせ元々無いですよーだ」
「いや、あるだろ」
「一応ガードルみたいなのしててさ」
「もしかして、それも」
「兄が送ってきた…しかも、10着」
「あいつもシスコンすぎだろι」
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