孤独者+幸せ者=
□fifth.嫌い
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嘘つき嘘つき嘘つき、嘘つき…!!
君なんて、大嫌い
《またね》って言ったのに、君はいつまでたっても来ないじゃないか
最初の数日間は、明日にはきっと来てくれるはずだと、自分自身に言い聞かせて心の隅で小さく訴えてくる物を押さえ付けていたが、もう無理みたいだ
心の隅にあった小さな訴えが、日に日に大きくなっていくのが自分でもわかっていた
そして、もう堪えられなくなった
訴えてきた言葉に耳を傾ける
そうだよね、そうだったね
嫌われてるはずの僕に近づく人なんて、いるわけない
きっと最初から、彼女は来るつもりなんてなかったんだ
僕をからかって遊んでたんだ
そう、もう彼女は<こない>
だけど、僕の今いる場所は公園の砂場
あの日彼女と会った砂場だ
別に彼女がくるかもしれないから待っている訳じゃない………はずだ
此処が僕の居場所
だから!別に可笑しくなんかない!!
はっ、として周りを見てみると、空は真っ赤に染まっていた
そんなに長い間自問自答していたんだろうか
ジャリッ…
公園に誰か入ってきたのだろう足音がしたが、自分が思っていた以上に考え込んでいたのだろう
その時の僕には気づくことが出来なかった
気づく頃には、人影は僕のすぐ後ろに存在していた
そして、砂山は消えた。
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