番外編

□貴方へ送るキス
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「よっ、歌連」
「歌連ちゃん、昨日ぶりだね」



あれから、一人で商店街を歩いていると、レオと馬鹿ディスタに会い、声をかけられた







「また、ライロムの追っかけしてんのか」


『…。』






「やっぱり、ライロムはやめといた方がいいと思『馬鹿ディスタには言われたくないのですぅ』




「……レオ、もう俺この子嫌い。」

「わかったから、こんな街中で体育座りして泣くのやめろ、俺らが恥ずかしいから」











『だけど、もうライロムしゃまに嫌われてしまったです』

「「、!!」」




そのあと、二人にさっき起こった出来事を話した




二人は、他にもいい人いるとか、元気出せなどの励ましの言葉をかけてくれた







初めてライロムしゃまに会った時、私は一目惚れした、それからはライロムしゃまに好きになってもらえるように沢山、沢山アピールしてきた





だけど





ライロムしゃまにとっては重荷でしかなかったですぅ




『嫌だよぉ…、ヒック…ライロムしゃまぁ…』


とめどもなく涙がボロボロと流れる


視界は鮮明になったり、ぼやけたりの繰り返し

だけど、その涙は止まることを知らない





『らいろ、むしゃま、ぁ…』



「か、歌連ちゃん」


二人は泣き止まない歌連にどうしていいか分からずオロオロしていた








「ぁ…」

「ん?レオどうかした??、ってタイミング良いんだか、悪いんだか…」




私は二人が見ている先が気になり、ふと顔をあげてしまった






「ッッ!!!…びぃゃやぁああぁぁ!!!!」



頭の中が真っ白になったが、今起こっている事を大体把握すると、次に自分の口から発せられたのは悲鳴に似た叫び声だった







『な、なななんで、ライロムしゃまがいるですかッッ!?』


そう、私の目の前にいたのは大好きなライロムしゃまだった


だけど、ち、近すぎる!!!

本当に目と鼻の先にライロムしゃまの顔があった





顔を真っ赤にしているであろう私と対照的に、何もなかったかの様な涼しい顔のライロムしゃま






私が何か言おうと口を開きかけた瞬間、叫び声によってダメージを受けていたディスタが復活し、先に喋っていた



「ぁ、ライロム何処行ってたんだ、お前のせいd、ムグッ「お前は黙ってなさい。」むぐぐぐっ!!」



レオによってディスタは、草むらへと引きずられていった




そうすると、必然的に私とライロムしゃまの二人だけになってしまった







「…歌連?」

『何かようがあるですか??』

あぁ、何でこういう時、素直に嬉しいって言えないのかな




ぽふっ
『、!!』

「…ごめんな、だから…泣くな」


私の頭の上に乗る大きくて優しい手がとってもあっかい…


「俺について来る、それだけで歌連、お前を危険に晒すことになる。 お前は子供なんだ、他の道はまだ沢山あるはずだ」







あの冷たく突き放すライロムしゃまの行動はは私のために、私の身を按じるためだなんて気づかなかった

自分の事ばっかりしか考えていなかった私には分かるはずもなかったんですぅ…!!






『ふえ、ヒック…ふえぇえん!!』

「…。」





ライロムしゃまは黙って私の隣に座り頭を撫で続けてくれた


ライロムしゃまは無口で無愛想で不器用





だけど私、知ってるよライロムしゃまは、人一倍嬉しい人だって事


だからこそ、好きになった

大好きになった








『ライロムしゃま』

「ん。」

『大好き。』

「…ん。」

『これからも、そばにいたい』

「…、」

『私の人生なんだから、私が決めるです』

「勝手にしてろ。」





『いつか、好きになってもらえるようになるですぅ!! どんな美人にも負けないくらい!!!!』


「、!!」



「おっ、やるねぇー」
「ひゅー、ひゅー!」


いつの間にか戻ってきていたらしい二人は冷やかしの声をあげていた









大好きな貴方へ送るキス


(頬っぺたでガッカリか?ライロム)
(あとで、覚えておけよ)



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