番外編
□それぞれのX'mas
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それぞれのX'mas
明日は待ちに待ったクリスマス
楽しみで、楽しみでじっとなんてしていられない!
クリスマスといえば、プレゼントにクリスマスツリー、クリスマスカード
そしてクリスマスケーキ!!
ケーキ好きには堪らない日。
男が単品の激甘ケーキを買っても、変な目で見られない特別な日なのだ
ディスタは明日こそあの店に入ろうと決意を固めていた
あの店とは今年の春頃にオープンした有名パティシエが集い完成させた究極の旨さを誇るケーキ店である
その店のケーキを一口食べればたちまちそのケーキの虜になってしまうといわれている
【生きているうちに一度は行きたいケーキ店ベスト10】では必ず1位という驚異的な旨さなのだ
そんないい店が自分の家の近くにあるのだか、一度も行ったことがない。
行きたいのだが、行くことか出来ない
その店は可愛くデコレーションされており、女の子の好きそうなふわふわとしたモノから可愛いものずくし、しかもピンク色で塗り固めたような店なのだ
ケーキ好きではあるが、さすがにそういう趣味は持ち合わせてはいない
だからこそ明日がチャンスなのだ
『明日こそ、明日こそ…』と呪文のようにブツブツと言っていた姿は何かホラー映画を見ている気にさせるのだった。
ディスタが心の中で葛藤しているその頃別の場所では綺麗な赤が飛び散っていた
「、グハッ…」 ドサッ
「クソがッッ!!」「なめてんじゃねーよッッ!!!!」
汚い暴言を吐きながら自分に殴り掛かってくる男達を軽くあしらいながら、動けない程度に急所を突いていく
「…このくらいか、な。」
独り言をボソリと言い、癖のある髪揺らしながら去ってゆく
地面には数人の男達が伸びていた
男達を軽くかたずけた当人のライロムは明日の事について考え事をしていた
明日はクリスマス。
一様、友のディスタが喜ぶ日
ディスタのケーキ好きには呆れるが、笑顔満開の顔を見ているとなんだかんだで憎めなくなってくる
アイツはまた今年もケーキの事で騒いでいるのだろう。
…やっぱ、ウザいな。
と、その時ポケットに入れていた携帯から着信音が鳴った
手慣れた手つきでポケットから携帯を出しメールを確認する
レオ
Re:クリスマス会っ!!!!!!
12/24 14:07
______________
明日、おまえんとこでクリスマス会やることにしたから(笑
俺、シャンパン買って持って行くからお前はケーキなっ!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「……。」
なんだかこのメールには魔法がかけてある気がする
…人をいらつかせる魔法が。
返信しておいてやるか。
所変わって、ライロムへメールを送った張本人のレオは…
「ダァーッ、まだかよおっせぇな」
なんて愚痴りながらライロムからのメールの返信をまっていた
―ピローン♪
携帯の着信音が鳴った
待っていたメールの返信が届いたようだ
ライロム
無題
12/24 14:15
______________
死ね。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
…何これ。地味に傷つくんですけど。
まぁ、ライロムの了承?も得たし明日はクリスマス会だー
シャンパン買いに行こうと、よいしょっなんて言いながら腰をあげた瞬間にあることを思い出した
「ぁ、ディスタ誘うの忘れてた」
まぁいいか。
そんなことよりシャンパン、シャンパン〜♪
次の日、ライロムの家からは楽しそうな声や、悶え苦しむ声も聞こえたとか。
ケーキが二つのクリスマス会
(なんで、俺も誘ってくれなかったんだッッ!!)
(誘わなくとも、ディスタは来るからいいかと思って)
(…同意見。 ぁ、このケーキあの店の……ディスタ、入ったんだ。)