ワンドオブフォーチュンF

□Please teach taste of the love that I do not know.
2ページ/5ページ

「―――誰が言うかこのアホー!」


 ……正確には言えるわけがないだろうが正しいのだが、残念ながら動揺の所為で言葉を選ぶ余裕すらなくなってしまっている。


 しかしそれでもルルにはラギが教えてくれないという意志を示したのは確かに伝わり、彼女は不満げな声を出す。


「えぇ? どうして? 私の気持ちがいっぱい詰まってるのは確かだけど、それがどんな味なのかって気になるんだもの!」


「だからって聴くか?! 言うこっちが恥ずかしすぎて気が遠くなるっての!」


 未だ赤面のまま怒りを吐露するので、いつものような迫力がいささか欠ける。動揺を隠し切れないからかこれが好機と見て取ったのかは知らないが、ルルはさらに言葉を重ねてきた。


「だって、気になるんだもの! お願い、どんな味か教えてっ」


「言えるか馬鹿!!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ