ワンドオブフォーチュンF

□Now that you disappeared , I see all nonsensically.
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 食事を終えて、再び虚無の空間で瞳を閉ざして彼女を思い描く。柔らかな桃色の髪や、何通りあるのかと数えたくなるほど豊かな表情、他にも、いろいろな彼女のことが脳内で描かれていく。


 ここまで彼女に執着するようになったのは、ある意味周りを皮肉ってきた自分にとっては、あまりにも可笑しいというか、不思議な感じだったが。


 だが、どれほど彼女を脳裏に思い描いても、そんな行動自体が、あまりにも無価値に思えてくるのだから笑えてくる。


 実際に彼女の世界へと赴けばいいのに、足が地に縫いとめられたかのように闇の世界になじむ自分を見られることが怖い。


「……僕に相応しい世界は、やっぱり、あなたの隣ではなくて……」


 言葉にしながら、心の中でなにかが壊れていく。


「………馬鹿みたいだ…。あなたに、会いたいだなんて、思うなんて…」


 喉から失笑が漏れているのに、眦からなにか熱いものが零れ落ちた―――…。













 あなたが目の前から消えた今、僕の周りの全てが無意味に見えるのは、きっと。



 ―――僕が、一生忘れられるはずのない、あなたを愚かにも求めてしまうから。




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