ワンドオブフォーチュンF
□紡がれた物語
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「―――つまり、劇に出て欲しいって事?」
首を傾げたユリウスの隣で、ふっと息を吐いたノエルがにこやかに言い放つ。
「いいじゃないか! いずれ僕たちの後輩となるかもしれない子達のためなら、是非とも人肌抜こう!」
「本当!? ノエル、ありがとうっ!」
嬉々とした様子のルルが、他の皆はどうだろうかと見回す。ノエルに引き続き、賛同したのはやはり―――…。
「コドモ、喜ぶのは、嬉しいデス。ワタシも、やりマス」
「うん、楽しそうだね。俺もやるよ」
「わぁ、嬉しいわ!」
そうして期待に膨らむ瞳を向けられれば、
「……まぁ、僕もできるかぎりのことはするよ」
ユリウスがそう言えば、にっこりと笑って礼を述べられる。思わず笑み返すユリウスにもう一度笑いかけ、ルルはまだ一度も何も発しない二人を仰いだ。