ワンドオブフォーチュンF
□掻き抱く温もりを
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「……ル、ルル。体はなんともないのか…?」
「? ええ、平気よ。別になんとも―――」
そう言ったルルの後ろで、突然悲鳴が上がった。驚いて口に放り込んでいたマカロンを飲み込んでしまって、噎せ返ったルルに、すかさずアルバロが手を伸ばす。
「ほら、ルルちゃん。飲み物もあるから落ち着いて」
「あ、ありがと、アルバロ…」
げほげほと咳をしながら、アルバロから受け取ったそれを一気飲みする。遅れて、軽い眩暈と共に、ルルの体の底から熱いなにかが競りあがってきた。
「あ、れ…?」
「ルルッ!」
悲鳴のようなふたりの声がどこか遠くで聞こえてくる気がした―――…。