オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡 / 巻き起こる激情は災いを呼ぶ
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にわかには信じられないその種族だと肯定した相手に、流石の土方も閉口する。
「……鬼? それはいったい……」
エストの問いに、やや投げやりに土方は応答する。
「この国に古くから伝わる怪物の類だ! 他の見解では、邪神ともされてる!」
「……怪物……ですか」
そんな存在がこの世界に存在していたとは。―――だが、そんなことはどうでもいい。
「………少なくとも、そういった類でしたら多少なりとも丈夫だと見ます」
「まぁ、そうだろうね」
「………だったら、申し訳ありませんが多少の怪我は覚悟して貰います」
そう言ってのけ、エストは魔道書を油断無く持って構える。
「……レーナ・テラ。地よ、萌える木々を伸ばし、彼の者を捕らえよ」
言い放った途端、大地が裂けて植物が勢いよく飛び出し、青年の四肢に巻きついた。ぐっと呻く青年に、エストはゆっくりとした歩調で歩み寄り、冷静に問いを投げ掛ける。
「……それで? あなたのような鬼が、いったい何の用でこんなことを?」
「………それを、俺が言うと思うのか?」
不敵に笑う青年に、エストは半眼になって冷静に応える。