オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡・外伝/なれば君の盾となりて
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「ラギ! 昇格おめでとう!」
先ほどとは打って変わった様子のルルに、思わず先刻見たしおらしさというか、果敢無げな様子はどこへいったのか、と問おうとする。しかしそれを寸前で堪え、唇に奇妙な笑みを形作って、ラギは言い放った。
「まあ、これくらいどうってことねぇよ」
「凄いわ、ラギ! わたしまだ魔法それほど上手く使えないのに、もう立派な騎士ね!」
一介の騎士であるに関わらず、皇女が惜しみない賞賛の言葉を告げているのを見たら、誰だって腰を抜かすかもしれないな、とラギは思わず想像して苦笑する。
「? どうしたの?」
「いや、ただ思い出したんだよ」
今の状況を伝えてルルに「自分は珍獣じゃない」などの不満を言わせる気は無く、取り繕ったようにラギは思いついた言葉を口にする。
「……思い出した?」
「おう。お前と出会ったときのこと」
言いながら、段々と記憶の片隅に埋まっていた記憶が引っ張り出されて思わず微笑が零れるのを止められないまま、ラギは眼を細めた。
「出会った…って……駄目、今すぐ忘れて、ラギ―――!」
蒼白になる少女を横目に、ラギは朗らかに笑い出した―――…。