オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡 / 和解と齎される影
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「………ちくしょー…腹減った……」
もう随分満足に食べていない。ひたすら森に成る果実で空きっ腹を慰めていたが、限界だ。
これ以上は動けないとでも言うように座り込んだラギの食欲を知っているだけに、此処数日間彼が耐えていたのは良く理解している。
「………とりあえず、焼いた肉、食べさせてあげられませんか」
ため息をつきながら、それだけ言って口を閉ざしたエストの耳朶に、柔らかい声音が響く。
「……ん…あれ、エルバート、先生?」
「はい。おはようございます、ルルさん」
だんだん覚醒してくると、ルルは喜色を表情に滲ませて立ち上がる。
「みんな! 無事だったのね!」
「うん。怪我人はいるけど、死者はいなかったよ」