ワンドオブフォーチュンF

□In the future , I cannot do it by a calculation
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 たったひとつだけの変化だけど、それが人生を大きく変える事だってあると思い知った。






「……おい、ルル」


「どうしたの? ラギ」


「………俺を運ぶのはいい、運ぶのはいいがな…」


 言いよどむラギに、ルルは首を傾げる。そんな彼女の姿にさえ胸をときめかす自分が恨めしい。


 だがそんな悠長なことを言っている場合ではないことは確かだった。


「………抱えるんじゃなくて、もっと違う運び方はできねぇか…?」


 今の状況は、あの楽しいことが大好きな快楽主義者の面倒野郎に知れたらからかわれるに決まっている。


 今まで幾度と無く交わしてきた会話から得た経験及び心労から、彼女に「もう少し抱え方を考えろ」などという言葉は言い飽きている。だから、昼寝や食事などといった自分にとっては重要な時間を除いたいとまにひたすら悩みぬいて出した結論は。


 ―――とりあえず、抱きかかえる以外の運び方は出来ないか、というものだった。


 もちろん自分ひとりで得た結論ではない。若干強引に意見を求めたときもあったが、兎に角本気でこの問題についての対策案を求めたのだ。―――結果、最も有用といえそうな対策案にたどり着いた。
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