ワンドオブフォーチュンF

□Everlasting dream
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 ―――彼女と出会って、三年を経た。


 元々少食の性質ではあったが、それでも成長期を迎えて幾らか背が伸びた。かつては並んでいた背が、日を追うごとに変わって、今では彼女に見上げられるようになった。時折彼女と目線を合わせるようにすると、以前は当然だった目線が、何故か酷く懐かしく思える。


 加えて、視線を絡めるために見上げてくる彼女の視線を見下ろせば、その上目遣いに時折顔に熱が集まってきさえする。かつては、同じ目線ゆえに彼女との距離が近くて、気恥ずかしかったのに、これでは背が高くても同じでも同じ気がする。けれど、どちらにせよ、自分が変わったことを示す言葉はただひとつ。


 ―――重症。脳裏を過ぎるのは、その二文字のみ。


 けれど、それで構わなかった。―――彼女がいる。その事実のみがあれば、周囲の視線を感じても、安心したから。


 ―――手の届く場所に、君がいる。


 その当然ともいえる事実を前提として、三年が過ぎた。
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