ワンドオブフォーチュンF
□掻き抱く温もりを
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某日、遊戯室―――…。
「ねぇ、ルルちゃん。マカロン食べない? エルバート先生から貰ったんだけど」
にこやかに尋ねてきたアルバロの言葉に、ノエルとラギの三人でのどかに遊んでいたルルは、瞳を輝かせた。
「欲しいわ! マカロン大好きだもの」
「いや、待てルル。そこは嫌でも遠慮しておくべきだ!」
「そうだぜ、ルル。そいつがロクなもんをひとに与えるわけがねぇ」
慌てて向かい合っていた二人が制止をかけるが、ルルは既にアルバロからそれを受け取っていた。
「あ」
エルバートから貰ったという言葉に気を抜いていたのかもしれない。マカロンは呆気なくルルの口に吸い込まれた。