薄桜鬼
□御題 <職業クエスト 〜FF]−2のドレスフィア当てはめてみた♪〜 >
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晴天の下、学院で最も空に近い場所―――屋上にて、かつての盟友たちは集う。
「……あぁっ! また負けたー!」
「こぉらっ、平助。一応俺が教師だってこと忘れてねぇか?!」
「いいじゃないですか、近藤さんが校長なんだから、ここの校則、ほかと違ってかなり緩いんですし」
持参してきた小型ゲーム機を片手に、ひとり奮闘する平助に、土方は怒号を飛ばすが、彼の手元を面白そうに覗き込んでいた沖田に平助が庇われてしまう。
全員に頼まれた飲み物を買ってくるため、そしてその大量の荷物を持たせるのは流石に気が憚れると、千鶴と一、薫は席をはずしている。
「でも最近のゲームって、面白いですよね。好きな職業選べますし。 近接型攻撃系、遠距離型攻撃系、回復系に、補助系。 ………僕だったら近接型の戦士かなぁ。斬った手ごたえが有りそうだし」
「………お前はほんっとうに期待を裏切らねぇよ……」
沖田の言葉に苦笑するしかない原田だが、彼と同じくそういうものにはやはり興味があるらしい。
「だったら俺は少しはなれたところから狙撃でもするガンナーかな。敵に突っ込まず、少し離れたところから攻撃するのは、上達すればかなり離れた場所からでも援護が出来るしな」
「んじゃあ、俺はそーだなー」
「お前は間違いなくギャンブラーだ」
「新ぱっつぁんがそうじゃなかったら、おかしいだろー?」
問答無用だと言わんばかりに、断言したのは、平助と原田である。脳裏に思い描いていた理想の姿を一気に崩壊されて、新八は勢い良く詰め寄った。
「なんでだよっ!」
「いや、だっていつも競馬中継聞いてるし」
当然のようにそういいながら、再びゲームに視線を戻す平助に、原田も同意の意を述べる。つられるように先ほどまで会話に加わることの無かった土方や山崎さえも、得心がいったのか、深く頷いた。
言われた永倉は、流石に形勢が不利だと悟ったのか最早何も言おうとはしない。
「じゃあ俺は……派手な感じのがいいなっ。後方で守られてるのはなんか性にあわねぇし……そうだな、シーフとかっ」
「あぁ、似合ってるね。小柄だしすばしっこいし」
「……なんでかな、総司に言われるとさ。俺、何か褒めてもらってる気がしないんだけど」
不服を唱える平助に対してほぼ完璧にシカトを決め込み、総司は続ける。
「まぁ、それは兎も角として。土方さんはあれがぴったりですよね」
「あ゛?」
「ほら、自分の体力を削る代償に、相手に大幅にダメージを与える暗黒騎士ですよ。相手を傷つけるためだけに自分まで傷つけるマゾっぽい職業」
「―――総司、そこを動くなよ」
発せられた声音は低い。びくりと身体を震わせた平助は後ずさり、新八や左之助も、さりげなく不穏な空気から離れる。山崎に関しては、自業自得だといわんばかりに総司を冷ややかに見つめている。
「そう言われて動かないひとがいると思うんですかー?」
笑顔で逃げ回る沖田を、土方が追うその光景をさり気無く視線からはずし、平助は取り繕ったように話を戻す。