オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡 / ひとときの休息
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「……あー。畜生…」
ひたすら唸りながら、ラギは自らの腹をさすった。その顔には、あまりにも生気が無い。
「……ら、ラギ? だ、大丈夫?」
どこか気遣わしげなルルの声に一切反応せず、ラギは突っ伏している。ビラールが、どこか諦めたような口調でぼやいた。
「この国は、ラギにとって、合わないところの、様デスネ」
「まあ、そうだろうな。なんたって、『精進料理』とか言うものが一番一般的な料理らしいからな」
つまり、ラギが好む肉類は一切ない。
「………肉が、食いてぇ…」
切実さすら醸し出すラギの言葉に、ルルは本当に困った表情でラギを見つめる。
そんなラギを尻目に、どこか嬉々としているのは、エストだ。どうやら、普段から見ているラギの食事をする光景が、此処に来てから一切見ないことが要因らしい。あまり食事に拘らないエストにとっては、この国は中々居心地が良いようだ。