オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡 / 和解と齎される影
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どうして、と問うこともままならないまま、ビラールに促されるまま、闇の結界を取り払ったと同時に、見慣れた姿と見慣れない姿を視界におさめたエストとラギは、いったいどういうことなのかと眉を顰めた。
「やぁ、ふたりとも。何日ぶりかな?」
「………いったいどういうことです? 僕たちが理解できるように最初から説明してくれませんか」
アルバロの言葉に無視を決め込み、エストは見慣れた連中を舐めるように見つめて口を開く。
「届いたパピヨンメサージュには、残りの三国が結託したと書かれてたんだが、どうして和解してる?」
「やだなぁ、ふたりとも。僕は可能性を示唆しただけで、それが本当かどうかは確信を持ってなかった。で、鉢合わせしたこのひとたちに確認したら、覚えがないっていうからさ」
「………そういうことですか。つまり、僕たちの早とちり、ということですね?」
早々に理解を示したエストとは違い、ラギは未だによく分からないようだった。ため息をついて、エストはラギに再度の説明を試みる。
「僕たちに届いたパピヨンメサージュは、可能性としては一番大きかった推測の書かれたものでした。それが届いた矢先、そこにいる三人と出会って、僕たちはお互い警戒を示して闘いはじめ、その間にこちらへ向かっていたユリウスたちは、そこの三人とは別部隊と鉢合わせ、その推測が違うという確証を得た。……そういうことです」
理解してしまえば単純ではあるが、言ってしまえば先ほどまでの闘いは『不要な争い』だったというわけだ。思わず脱力したラギは、同時に腹が減っていたことを思い出して力なく座り込む。