オトメイト作品コラボ連載

□光の軌跡 / 邂逅せし戦士たち
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「土方隊長。いったいどうかしたのですか」


「いや……少し嫌な予感がしてな」


「………そうですか。千鶴、警戒態勢を取るからなるべく離れないように付いてきてくれ」


「は、はいっ」


 新撰国から西方に幾らか進み、頭を掠めた不安ともいえる奇妙な思いが上司に横切ったのを聞いて、斉藤一は傍らにいる小柄な少女に注意するように促した。


 騎馬に乗ることが中々ないからか、馬を利用しての移動は慣れない。しかし、それでもなんとか着いてこれるのは、一重に土方の指揮がとれているのもあるかもしれない。


「千鶴、大丈夫か? なんか疲れてるように見えるけど」


「大丈夫だよ、平助くん。私の我侭でみんなの足引っ張っちゃ迷惑になっちゃうもの」


「……別に、千鶴の我侭なら土方隊長引き受けると思うけどなぁ」


「そうだね。なんたって武官の上の方は殆ど千鶴ちゃんに骨抜きなんだから」


「そ、そんなことありませんっ」


「……総司、平助。そんな話するくらいなら周囲を警戒しろ」


「……左之さん、いわれなくたって分かってるって」


 むっとしたようにそう言い返して、平助は周囲を見回した。新撰国の中でも若輩ではあるが、やはり平助も武官である。その瞳は鋭く周囲を見つめていて、どこまでも容赦がない。
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