オトメイト作品コラボ連載
□光の軌跡 / 一難去って、また――
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同刻。ようやく止んだ襲撃の嵐に、ユリウス=フォルトナーは安堵したように息をついた。
「……いったい、なんだったのかな?」
「僕が知るわけないだろう! というよりも、誰も分からないに決まっているじゃないか!!」
どうやら意外と近くにいたらしい秀才の魔術師、ノエル=ヴァルモールが叫ぶ。苛立ちを前面に出しているのは、きっと自分の魔法がまるで利かなかったことに対するものが隠し切れないのだろう。
「…そうだね、アルバロはどう思う?」
「うーん。僕の専攻は薬学だからね。あまり役立たない情報だと思うけれど、どうやら僕たちが操る魔法ではないと思うよ、あれは。むしろ、干渉していない残り三つの国の力なんじゃないかな」
「残リノ国ガ結託シテ、コノ国、潰ソウト?」
「だと思うけれどね。だとしたら、危ないんじゃないかな。ルルちゃんたち」
「!! まさか―――すでに、彼女たちが敵の手に落ちたとでも言うのか、アルバロ!」
「可能性は否定できないと言ったまでだよ。もしかしたら、まだ間に合うかもしれないし」
アルバロの言葉に反応して、ノエルは身を翻す。魔法薬学士であるアルバロ=ガレイは、物事を冷静に見極め、最悪の事態の想定を難なくしてくれる。考えの甘い皆に、こうしてあらゆる事態をつきつけて現実と直面させてくれる彼のことは、やはりラティウム国では重宝する人物だ。
「それなら、早く行動しようか。ルルの居場所は…そうだね、アミィに手伝っても貰おうか」
ユリウスの一言で、四人は駆け出した。