翡翠の雫
□はなむけの鎮魂歌（レクイエム）
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
すべてが終わり、数ヶ月が過ぎた。
珠洲と陸は、誰の遺骨も埋められていない墓前を、暇を見つけては綺麗に掃除している。
そう。―――生贄となって身罷った、母の墓を。
「……陸、お花はこれでいいかな？」
「大丈夫だと思う。母さんがそんなことで文句言うとは思わないし」
「もう！ 真面目に考えてよ」
「ごめんごめん」
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
ｶｽﾀﾏｲｽﾞ
©フォレストページ