オトメイトコラボ連載・学園モノ♪

□1.私立レーヴェ学院、守護神寮へようこそ!
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「………ふぅん。なら、この本が一番参考書としては向いてるのかな」


「そうだね。君の知識量ならこれくらいのものが一番適当かな。それにしても、随分と専門的なことを知ってるね」


「……いろんな方面の知識に詳しい亮司さんに言われると自信がつきますね。その褒め言葉、ありがたく頂きますよ」


「そうかい。………さて、このあたりの書物は少し奥の方で複雑なんだ。少し遠いけどついてきて、イッキ」


「助かります」


 司書の天野亮司に導かれて歩きだしたイッキ―――本名はイッキュウというらしいが本人はこの名前を呼ばれたがらないらしい―――を追うように、何対かの視線が彼を追う。何故か老若問わず女性に大人気な彼は、こういう場でも自然と注目を集めてしまうらしい。その色香を少しでいいから分けてもらいたいと思うのは自分だけではないだろうと平助は思う。


 目をどこに走らせても飛び込んでくる守護神たちの様子に、本当にこの図書館は巨大な施設ゆえに監視者も多いと自覚させられる。何だか、籠に入れられている鳥のような気分になって少し心地が悪い。


 ―――千鶴も、あの中に誰か気になる奴いるのかなぁ。


 そんなことを考えていた矢先、ふと肩を叩かれて平助は顔を上げる。


 視界に桃色の髪が映り、平助は思わず目を瞬かせた。


「あの、ごめんなさい。席、左に一つずれてもらえないかしら。三人で座りたいんだけど、満員で殆ど空きが無くて」


 申し訳なさそうに眉尻を下げて平助にそう頼んできたのは、年輩であり物凄く見覚えのある人物だ。混乱が胸中に駆け回る中、平助は勉強に勤しむ千鶴の肩を叩く。
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