オトメイトコラボ連載・学園モノ♪

□1.私立レーヴェ学院、守護神寮へようこそ!
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 この図書館に生徒たちの多くは常にそこを訪れ、読書を勤しむ、勉学を勤しむといった理由で放課後は人酔いをするほどの人数が溢れているが―――実際は、そんな感心できる理由で訪れているわけではない。それは、外部入学により高等部から入った平助でも瞬時に悟るほどわかりやすいものだった。


 幼馴染の雪村千鶴と席を並べて黙々と教書と向き合い続けていたが、結局は苦手な勉強に集中することに飽いて、ペン回しをして周囲の様子をさりげなく傍観していた平助がその目で捉えるのは、どこか浮ついた空気を醸し出す女生徒や、必死に向かい合う者に対して顔を朱に染めながらもたどたどしく言葉を紡ぐ生徒の姿。


 各所でそういった生徒が熱い視線を送っている先は、百合やら薔薇やらを背中に背負っているかのように華やかな容貌を生まれながらに持つ者たちばかりだ。


「……やっぱり、守護神(ガーディアン)の方々は素敵だわ」


 どこかで言い放たれた言葉が、平助の耳に残る。


 ―――守護神(ガーディアン)。


 セキュリティが万全とはいえ、生徒内での問題の解決などは学園には存在しない。生徒会や風紀委員にもそれには限界があるらしく、その事態の収拾をするべく動くことも中々難しい。しかし、大規模な学園都市ともいえるレーヴェ学院では、そういった事態にすぐさま対応できるような人員が必要不可欠だった。


 結果、設けられたものが、秩序を守るべく学園の各所で監視する者。彼らは、生徒たちの教師の有志から生まれ、とある条件―――それがなんなのかは知らない―――によって男子寮とも女子寮とも違う特別寮に住まい、放課後や休み時間などは図書館やグラウンドといった、生徒たちが多く利用する公共の場で常に生徒たちが何かしらの問題を起こしたときに対応できるように待機している。その権威は計り知れず、生徒会や風紀委員でさえ彼らに対する牽制は不可能だという。


 ゆえに、絶対的な立場として、守護者ではなく、守護神と呼ばれるに至ったらしい。


 だが単なる偶然なのか、それとも何かしらの陰謀があるのか―――守護神として活動する彼らは、美形ばかりなのだ。此処にいない連中も、いささか強面でこそある者もいるものの、美形と称するに相応しい者たちばかり。さらに、常にそばで見守ってくれていることも相乗効果となって、今では生徒たちの『憧れ』の象徴。………結果、彼らを基盤にした話が生徒内で作られているという摩訶不思議な事態まで起こっているらしい。―――読む気はさらさらないが。


 とにもかくにも、そういった守護神メンバーが放課後生徒が利用する場所として、初等部から大学までの部活が使う体育館、グラウンドといったような場所から、生徒の利用が多い図書館を見回っており、部活に所属していない者たちは勉強に勤しむ、読書に勤しむという名目で図書館を訪れ、彼らを見つけて目の保養をしているようだ。
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