ワンドオブフォーチュンS

□I'll stand by you all the time.
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「――――お前は、俺のだ」


 零れ出した思いは、言葉となって止まらない。脆くなった感情が、拙い言葉で紡がれていく。


「………どうにかなっちまいそうだ」


 嫉妬に狂い、憎悪に突き動かされ、滅茶苦茶に暴れ出してしまいそうで。


「―――――ラギが何に怯えてるのか、わからないけど…」


 沈鬱な顔で俯くラギの頬に、ルルが手を伸ばす。


「……私、傷つくことも、苦しむことも、平気ではないけれど、怖いとは思わないの」


 突然何を言い出したのか分からず、視線をさ迷わせるラギに、ルルは淡く笑う。


「……怖いのは、ラギがいなくなること」


 え、と声がちゃんと出たのかも怪しかった。ただ、視線だけが彼女から離れられない。


「ラギが傷つくのが怖い。ラギの目に、私が映らなくなることが怖い。―――ラギの人生に、私が必要なくなることが怖い」


「ル、ル……」


 ―――瞳が、限界まで開いたような錯覚がするくらい、見開いたような気がする。


「……だから、頼って。ラギの弱いところも、支えられるようになりたいの。……じゃないと……っ」


 じゃないと、いつか必要ないって言われてしまいそうで―――。


 続く言葉を、紡ぐことは叶わない。


 噛み付くように重ねられた唇に、想いを吸い取られたように離れても呆然とするルルの耳元で、ラギは囁いた。


「………ぜってぇ、離さねぇよ」


 たとえ、お前がどれほど俺と離れたいと願っても。


「離すつもりなんか、全然ないから―――…」


 その言葉を理解して、嬉しそうに笑った彼女を、ラギは力加減を忘れてぎゅっと抱きしめた―――…。






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