ワンドオブフォーチュンS

□Only you are seen.
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 夢中で語るルルの話を頷きながら聞いていれば、ふいにルルが問うてきた。


「ソロは、今日一日何をしていたの?」


「僕? 僕は、新しい魔法具を作っていたよ」


「新しい? どんなものなの?」


「そうだね。用途は忙しすぎて手が空かないときとかかな。 たとえば、本を返却したいのに図書館に行く暇がなかったら、どこに届けたいのかを入力すれば独りでに運んでくれるというものなんだけど」


「わぁ、それは便利ね!」


 見上げてくる大きな瞳が、きらきらと輝き、桜色の唇が綺麗な弧を描いて笑みを刻んでいる。


「ふふ、その魔法具、最初に私に使わせて欲しいな!」


「うん、いいよ。………元々ルルに喜んで欲しいから作ったものだし」


 にこにこと笑って繋いだ手に力を加えれば、ルルも同じように力を込めて手を握ってくる。
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