乙女的恋革命★ラブレボ!!
□言葉が変えた聖体賛歌(アヴェ・ヴェルム・コルプス)
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他人なんて、嫌いだった。
教会に行くたびに、キリストを称える連中に、嘲りの思いが胸を占めた。結局は自分の過ちを許されたくて宗教に縋っているようにしか見えなかったから。
だけど、今は少しだけ。―――少しだけ、信じられるようになったから。
だから心が感じるものが少しだけ……ほんの少しだけ、変化したのかもしれない。
「ヒトミ。 何を聴いてるの?」
珍しく音楽機器で耳を塞いでいた恋人の肩を叩き、雅紀は穏やかに微笑んだ。顎を少しだけ持ち上げたヒトミの目の色が、微かに和む。
「……昨日パソコンでとても綺麗な曲だと思ったから、思わずダウンロードしちゃったの」
小首を傾げて、そう言ったヒトミが片方の耳からイヤホンを外し、そっと腕を伸ばして自らの耳元にそれを近づけてくる。その手を取って自らの耳に添えるように置いた雅紀は、彼女の聴いていた歌がなんなのか理解して、苦笑した。
「これ、賛歌じゃん」
「そうなの? とってもメロディが素敵だったから、歌詞も分かんないのに落しちゃったの」
邪気のない笑顔を向けてくるヒトミに、雅紀は苦笑する。歌詞を理解してこその歌なのに、なにをしているんだかと、思ってしまう。