ワンドオブフォーチュンF

□I had no idea about this side of my personality either until I met you that it.
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「放して! 私以外のひとに貰うラギなんて嫌いよ!」


「わけ分からねぇこと言ってんじゃねぇ! いったい何に怒ってんのか説明してくれねぇとどうしようもねぇだろ!」


 嫌いなどという言葉を使われ、逆上をしたいのを全霊で堪え、凄まじい剣幕で説明しろと詰め寄る。


 そこでルルも、ラギが以前体質の問題があったゆえに女心をそこまで解することの出来ないことを思い出したのか、漸う息をついてラギを見上げてくる。


「……今日、何の日か知ってる?」


「……朝っぱらから周りが妙に浮ついてたが…なんか特別なことでもあったか…?」


 色事にはさほど精通していないので、いったい今日がどう特別な日なのかまったくもって分からない。眉を顰めて渋い顔をするラギに、ルルはようやく強張っていた顔を和ませた。ラギが今日がいったいどんな日なのか理解した上で手にした誰のものか知れぬその箱を受け取ったわけではないと分かったから、思わず安堵してしまったのだ。
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