ワンドオブフォーチュンF

□I had no idea about this side of my personality either until I met you that it.
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「ルル? いったい、どうしたんだよ?」


「……ラギ、いったいそれは、誰から?」


「あぁ、これか? なんかアルバロの奴と話した後、突然呼び止められて、知らねぇ奴が押し―――って、おい! ルル?!」


 無言で踵を返して駆け出した少女に眼を見開きながら、いったいどうしたのかと反射的に動き出す。


 元々彼女は行動力のある元気な少女ではあるが、自分と彼女の脚力や歩幅が功を奏し、中庭のあたりでようやく少女の右手首を掴むことに成功する。


「おい、いったいどうし―――」


「ラギの馬鹿!」


「―――は?」


 突然放たれた罵倒の言葉に瞠目し、ラギは一瞬硬直する。だが、頭でそれを理解して言い返そうと口を開くよりも先に、ルルが涙を浮かべた瞳で自身をきっとねめつけた。
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