ワンドオブフォーチュンF
□I had no idea about this side of my personality either until I met you that it.
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「あ、あの!」
振り返れば、見慣れない少女の姿がある。どうやら、彼女はマントを掴んで自分を引き止めたらしい。
「……なんだよ」
「こ、これ、貰ってください!」
差し出された箱を反射的に受け取り、ラギは胡乱な顔をする。
「……なんだこれ」
「し、失礼します!」
「あ、おい―――」
呼び止めようと声を出した瞬間、聴きなれた声が耳朶を劈いた。
「あ、ラギ! 捜してたの―――え?」
振り返ったラギが手にしていた箱を凝視して、ルルは思わず立ち止まる。そんなルルを見てラギは怪訝そうに眉宇を顰めて彼女の名を紡ぐ。