ワンドオブフォーチュンF
□I get the feeling, the more involved I get with you.
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そんなノエルを弄るのも面白そうだとは思ったが、アルバロはにこやかに口を開いた。
「それじゃあ、このバレンタインの花とチョコはどうしよっか? お互いに渡してホワイトデーにもお互い渡す?」
なんて面倒なことになったのか、とありありと書かれた顔を見ながら、アルバロはにっこりと笑む。引き攣る頬をどうにかしようと苦心する少女の姿が、中々面白い。
「あぁ、そうだ。ここは娯楽室だし、面白いからチョコを賭けてゲームでもしない?」
「………げ、ゲーム?」
「うん、ゲーム。そうだね……チェスでもやる? それとも、ちょっとした流行おくれでマジックチェイサーとか」
「………ちなみに、チョコを賭けるってどういうことかしら」
「そのままの意味だよ。ルルちゃんが賭けに勝ったら俺は大人しくチョコを貰う。で、ルルちゃんが負けたら…」
数拍の間を置くと、目の前の少女がごくりと喉を鳴らす。どうやら随分とこちらの出方を警戒しているらしい。