ワンドオブフォーチュンF
□魔滅の祭りはトラブル続き?!/前編
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「ていうかそれ、めちゃくちゃ勿体ねぇことするイベントだと思うぞ。俺は豆は食わないが、その豆が肉だったとしたら全力で反対したい気分だ」
「う……でもでも! すっごい楽しそうだもの、みんなでやりたいわ!」
「あなた個人の感情論とやった後の面倒を考えると、僕は絶対に反対に回ります」
「………エスト、酷すぎるわ…」
辛辣すぎる言葉にへこたれそうになりながらも、ルルは必死に賛同の意を述べてくれるものはいないかと周囲を見回す―――と。
「ふーん。随分と楽しそうな行事だね。ちなみに豆を悪いものに当てたらどうなるの?」
にこやかに聞いてきたアルバロに、ルルは先ほど聞いた話のことを記憶から掘り起こす。
「聞いた話によると、豆は『魔滅』に通じていて、悪いものに豆をぶつけることで、邪気を追い払ってくれる上に一年間無病息災になるんですって!!」
「一年間、元気でいられるのは、いいコト。とても素敵な、イベントデス」
ルルの回答に反応したのは、華やかな空気を纏い、銀髪の髪を揺らして穏やかに微笑みを零したビラールである。