ワンドオブフォーチュンF
□Please teach taste of the love that I do not know.
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陽気な陽射しが溢れる真昼、寮の庭の片隅にて―――。
「ねぇ、ラギ」
「あ? んだよ」
口の中に放り込んだマインド・キャンディを食べ終わり、じっとこちらを見つめてくるルルに眉宇を顰めて何事かと先の言葉を促す。
「あのね、聴きたいことがあるの」
「聴きたいことぉ?」
胡乱な目でルルを見返して、ついに彼女が言葉を放った。
「私のあげたマインド・キャンディはどんな味なの?」
―――見事に突っ伏し、言葉の意味が意味だけに顔に熱が集まるのを止められないラギは、何度かぱくぱくと口を開閉させた後、鋭く吠える。