ワンドオブフォーチュンF
□In the future , I cannot do it by a calculation
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「……ルル」
「……ああもうエストってば……、ラギ? どうかした?」
「……話があるから取り合えず座れ」
「? うん」
素直に正面に座りなおすルルに、据わった目のままラギは口を開く。
「……俺の変身体質はお前限定になってるのは分かってるよな」
「? ええ、だから変身しちゃったらいつも私が抱えて―――」
「それだ、それ。その、俺が変身した後抱きかかえるのは止せ」
「……どうして?」
首を傾げるルルに、ラギは迷ったように口を幾度か開閉してから言葉にする。
「………いいか、ルル。変身してるからそういった観念が抜け落ちてるんだろうが、お前は俺を抱きかかえてるんだぞ。その、自分の胸に……ぎゅっと……」
だんだんと言葉が小さくなり、聞き取るのに苦労はしたが、ルルはラギの言葉を咀嚼して―――その表情に、さっと朱が差す。