ワンドオブフォーチュンF
□In the future , I cannot do it by a calculation
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流石のラギもこの対策案さえ出てくれば後はとんとん拍子で話が進むと思っていた。……だが、事はそう上手く運ばない。
「どうして? これが一番運びやすいのに、今更どうして変えるの?」
「そ、それはだな……」
再び思考にふけってどう説明しようかと悩むが、率直に言わなければ絶対に伝わらない気がする。……ここは腹を割って暴露すべきか。
いやいや、まだそのときじゃない。そんなことをして彼女との間柄が少しでも微妙になったらむなしすぎる。―――何か他のやり方は無いものか。
「ラギ? ラギ、どうしたの?」
「………いや、どう説明したものかと思ってな」
「? そんなに難しいことなの?」
「いや、難しくはねぇんだが……」
言葉を選ぶように口ごもるラギを見つめて、ルルは辛抱強く彼の言葉を待つ。
これは長期戦になりそうだと判断したラギだが、残念ながら長い間空いた腹を慰めるための食事が出来ないのはおそらく不可能だ。
というか、普段考えない分の反動か視界が霞んでいるような―――。
「ら、ラギ!? し、しっかりして!!」
慌てふためく愛しい彼女の声を耳に捕らえたと同時に、ラギの意識はぷっつりと途絶えた。