ワンドオブフォーチュンF
□いつか叶えたい夢は
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「それに、お前以外を連れて行く気はさらさらないからな」
にやりと不敵に笑むラギに、ルルは問いかける。
「……ホントに?」
「当たり前だろうが。俺が認めたお前以外を、なんで連れて行く必要がある」
呆れた物言いでラギは言う。その顔はいい加減にしろとでも言いたげだ。
「まったく、お前は俺の言うことを信じられねぇのかよ」
「そ、そんなこと無いわ! ラギの言うことだもの、信じるに決まってるわ!」
「………だったら黙って信じてろ」
ラギは立ち上がり、ため息をつく。
「あー…ったく。昼寝の合間に喋るなよ。眠気が吹っ飛んじまったじゃねぇか」
「ご、ごめんなさい……」
項垂れるルルを横目で見つめるラギの唇が、歪む。
「……ほら、行くぞ。俺は寮に戻る」
「う、うん」
大人しくついてくるルルに、ラギはその眼差しを和らげる。ルルは、それに気づくことは無かったが。