ワンドオブフォーチュンF

□いつか叶えたい夢は
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 木陰でのんびりと昼寝に勤しみ始めたラギの隣に横たわり、ルルは静かに目を閉じる。


 穏やかな風が頬をなで、髪を浚っていく。自然豊かな裏山では、自然が近く感じられて、心地よさすら覚える。


「……気持ちいいなぁ」


 彼がこの場所を好む理由がよく分かるのは、この感覚をこの身でしっかりと感じ取ったときだ。元々自然の多い彼の故郷では、きっと当たり前に感じられるものなのだろう。


「……行ってみたいなあ、ラギの故郷に」


 いつか連れてってやるといわれた、星空。彼が好む鹿肉が豊富に食べられる彼の地。


「連れて行ってやるよ、いつか…この体質が改善したらな」


 いきなりかけられた言葉に、ルルは絶句する。振り返れば、やや吊り上った瞳が真剣な光を称えてこちらを見つめている。


「………一応、俺だってお前を連れて行きたいと思ってるしな。……夢に見るくらいには」


「え……」


 戸惑うルルに、ラギは笑む。
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