薄桜鬼

□八重咲きの桜と君
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 間に挟んでいた茶器をどかし、伸ばした手で華奢な体を絡め取る。


 抱き寄せた千鶴の髪から仄かに香る甘い香りに胸を高鳴らせながら、平助は穏やかな声音で千鶴に問う。
 

「………そしたら、ふたりで花見の宴でもするか?」


「……わ、私お酒あまり得意じゃないよ…」


 抵抗もせず、大人しくされるがままになる彼女の髪を梳きながら、平助は柔らかく笑む。
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