緋色の欠片
□募りゆく願いの常動曲(ペルペトゥム・モビレ)
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「ったく、嫌味にしか聞こえないところが気にいらねぇ」
ぼやきながら、用は済んだというように自分に背を向けた真弘を見送って、祐一は息を深くついた。
「……そろそろ授業が始まるか」
祐一もまた、ゆっくりと自らの受ける授業に臨んでいく。
その唇に乗せた笑みは、どこまでも穏やかで、ひとの目を惹いていたことに佑一は気づかない。
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