ワンドオブフォーチュンF

□寂しさすら翳る笑みに
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「あるんだよ」


 それ以上何も言うな、と額を小突かれ、ルルは口を閉ざす。


「……それでも、俺がお前のことが好きで、いつか覚悟決めて絶対に故郷にお前を連れて帰りたいって思ってるのは、本当なんだ」


 だから、とラギは言葉を区切る。


「……中々お前の気持ちに行動で応えてやれねーから、悪いんだけど……他の奴に、お前を譲る気だけはないから」


 それだけ覚えていてくれれば、それでいい。


 そう小さく呟くように零したラギの言葉で、ルルの涙腺が決壊する。


「―――なんで泣く!」


 そう動揺するラギにぎゅっと抱きついて、彼を瀕死にさせてしまうのは、もうすぐ―――…。








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