星狐短編
□フォックスの怪我
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俺は目が覚めた。
今俺が何処に居るか確かめるために周りを見回した。
天井は俺の部屋のものだ…
たが俺の目の前に居た俺の戦友フォックスにはかなり驚かされた。
自分で部屋に運んだのに…
俺は痺れた身体に鞭打って力一杯フォックスを抱き締めた。
細いコイツの身体は温かく小さく脈打っていたそれだけでコイツは生きていると感じられた。
俺はやるせない思いでいっぱいになった。
「俺があの時戦線離脱なんてしていなければオマエを守ってやれたのに…」
俺はその時フォックスの目が音もなく開いたことに気が付かなかった。
俺は水を飲みに部屋から出ようとした時、何かに腕が引っ掛かった。
まさかコイツの目が覚めたのかもしれないと思い振り向いたがフォックスの目は閉じたままだった…俺は諦め部屋を出た。
水を飲んで部屋に戻って来た俺は自分の頭がおかしくなったと思うような姿を見た。
フォックスが俺の顔を見て微笑んでいた。
俺は急いでフォックスに近づきこう言った。
「もう起きて大丈夫なのか?」
するとフォックスは
「ん…あぁ大丈夫だ…だが何故俺はファルコの部屋に居るんだ?みんなは無事なのか?」
俺はフォックスの細くなってしまった身体に触れ、言ってやった。
「みんな無事だ…一番オマエが重傷だったんだ…全治6ヶ月だぜ…」
するとフォックスは驚いたようで、
「全治6ヶ月!?じやあ俺は半年も仕事が出来ていないのか!?」
俺は自分の身体を少しもいたわらないコイツに怒鳴ってしまった。
「仕事の心配より自分の身体を少しはいたわれ!!もう少しで死んじまうところだったんだぜ!仕事のことならペパー将軍に断っておいた!!だからオマエは完全にケガ治してくれ!!頼むから…」
だが俺の言葉はフォックスの悲しそうな顔に尻すぼみになってしまった。
するとフォックスは
「その,悪かった…いきなりの事で驚いてしまって…悪かった…」
悲しそうなそいつの声で俺は我にかえって、謝った。
「いきなり怒鳴ったりして悪かった…オマエが身体を大事にしねえから…だが今のオマエの身体動くこともままならねぇ。その状態で動くとキズというキズが全て開いちまう…今は安静にしてくれねえか?頼むから…」
するとフォックスは顔を赤らめながら、俺に言った。
「何処に行くんだ…ファルコ?その…ココに居てくれないか?1人にしないでくれ…寂しい…」
それを聞いた俺はフォックスに口づけて言った。
「寂しいだって?仕方ないな…ココに居てやるからもう一度寝ろ。そのキズが完全に治るまでこの部屋に居たらいい。オマエの部屋は遠いから倒れても誰も助ける事ができねえ…ココなら俺が居る…倒れてもすぐに助ける事ができる…」
そう言ってやった。
するとフォックスは
「わかった…だがオマエは何処で寝るんだ?俺がオマエのベッド占拠してるからそうだ俺の横で寝てくれるか?ベッドが広いから何か寂しい…床やソファーで寝ると身体中が痛くなるだろう?だったら一緒に寝たらいいだろ…」
そう言われた俺は
「確かに痛いがオマエを襲う訳にはいかないだろ?それならそこのソファーで寝るし…」
そう言うとフォックスは
「んなこと気にしなくてもいんじゃないか?オマエになら襲われても構わないからな…」
そう言うとフォックスは顔を赤らめそっぽを向いた。
その時のコイツがカワイくて俺は子供にするように、頭を撫でた。
そして俺は
「じゃあオマエの横で寝るとするか…俺が何かしても怒るんじゃねぇぞ」
するとフォックスは俺にこう言ってきた。
「何かする気満々じゃないか…まぁ別に構わないけどな…」
そう言ってしばらくしたらフォックスは眠ってしまった。
俺も時間を見て
「…もうこんな時間か。風呂に入って俺も寝よう…」
俺は風呂に入って部屋に戻って来たら、人の気配が無いことに気が付いた。