星狐短編

□ウルフが大怪我!?
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俺はひどく嫌な夢を見て目が覚めた。

目の前には黒い眼帯をまいたウルフが居るはずだ。

俺は死んだように眠っているウルフの顔をはたいた。
するとウルフの鋭い目が音もなく開き俺を見た。

ウルフは俺に

「オマエは命の恩人に対してやりたい放題だな…」

枯れた声で言ってきた…俺は言い返してやった。

「枯れた声で何言ってんだ助けてくれとは一言も言ってない…」

寂しそうな声になったのかもしれない…

するとウルフは俺の顔を見て言った

「心配かけて悪かった…一体俺は何日眠っていたんだ?」

俺は言ってやった

「何日ってもんじゃない半年眠っていたんだ…」

そう言ってやるとウルフは
「オマエ、仕事はどうした?まさかずっとココに居たわけじゃ無いだろうな?」
俺はギクリとしてしまった
それに気が付いたウルフは
「図星か…仕事はどうした休んでいるのか」

俺は言った

「あぁ…仕事ならペパー将軍にしばらくの間休むと言っておいた…」

「そうか…それ聞いて安心した…俺をおいて何処に行くんだ?」

そう言って俺の腕を掴んだ俺は言ってやった。

「みんなに教えてやるんだよ。オマエが目を覚ましたってな」

するとウルフは俺に言った
「俺をおいて行くな…さ…寂しいだろ…ココに居てくれないか?」

少し赤くなりながら言われ俺は不意を突かれ驚いた。
「な…何言ってんだ?みんな心配していたんだぞ!」
するとウルフは

「みんなに報告したらすぐ戻って来てくれるのか?」
俺は言ってやった。

「すぐ戻って来てやるよ。約束する…だからいい加減俺の腕離せ…」

そう言ってやると素直に俺の腕を離した。

俺はみんなのところに走って行き、ウルフが目を覚ました事を報告してまた全力疾走でウルフの元まで戻った。
するとウルフはベッドの上に座り点滴を抜いて貰っていた。

邪魔だった全ての機械を取り外したウルフは俺に笑いかけて言った。

「すぐに戻って来てくれたな。ありがとう…」

俺はじっとウルフの隻眼を見た。

左目についた眼帯に触れそのままウルフを抱き締めた。

俺はウルフが目を覚ました事がたまらなく嬉しかった。
ウルフは顔をしかめて、

「い…痛い…何故俺を抱き締める…」

俺はウルフに

「オマエが目を覚ました事がたまらなく嬉しかったんだ。助けてくれて、ありがとう」

するとウルフは顔を赤らめながら俺の顔を見て

「そんなに嬉しかったのか助けたかいがあるってことだな。だが何かまともな服はないのか?この服じゃ動くこともままならない…」
俺は驚いてウルフを見た。
「もう動くつもりか?まだ休んでおけ」

そう言ってウルフの脈拍,体温を確かめ、最後にウルフの唇に俺の唇を重ねた。
そうするとウルフの鋭い瞳が丸くなった。
だがこのままコイツの目の前にいるとやってはいけない事をしてしまいそうだった…

だから俺はさっさとコイツから離れ自分の部屋に戻ろうと思った。

だが踵をかえそうと思った瞬間ウルフが俺の腕を掴んでこう言った。

「ココに居てくれないか?さ…寂しい…」

驚いた俺はウルフの顔をまじまじ見てしまった。

「何故だ?ココに居ると俺はオマエを襲ってしまう…弱ったオマエが可愛いからそれでもいいのか?」

するとウルフは

「別に構わない。オマエになら襲われてもいい」

俺は黙ってウルフの顔を見た。

そして

「じゃあ手を出したって文句言うなよ」

「オマエはそんな事はしないだろ?」

そういってきた。

俺はもう一度ウルフに口づけて

「もう一度寝ろ。傷口が開いたら意味無いだろ?まだ完治していないんだ」

そう言ってやった。

すると今まで気力だけで起きていたのか、すぐに眠ってしまった。

俺はウルフの寝ているベッドに、もたれかかり一緒に寝た。
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