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□帰り道
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そこに元凶でもある真田が閥の悪そうな顔で跡部のほうに近づいてくる。
傍に居た大石たちは「ちゃんと謝ってくれよ」と小声で真田に伝えた。
そして尚も真田は跡部のすぐ目の前までズカズカと音を立てて歩み寄ってくる。
流石の跡部も腰が引けたのか後ずさりしている。
と次の瞬間真田の口から出たのは

「すまんっ」

の一言だけだった。
その後に謝罪の言葉や付け足しが出る訳でもなかった。
無論跡部の機嫌が直るわけも無く・・・・。
というか、ぶっちゃけ先刻よりも悪化させてしまった。
そんな跡部を後目に真田はクルっと種を返すとそのままスタスタと帰ってしまった。

その場に残された面々は重い空気に包まれ
大石たちが淡々としているのを見ているうちに余計ストレスが溜まってきた跡部はどうも我慢出来そうも無いのでお先に失礼することにした。


その帰り道。


跡部の口から出るのは先刻のことについての愚痴ばかり。
自分でも驚くほど次から次へとひっきりなしに出てくる。
「ったく、何だって俺があんな思いしなきゃなんねぇんだよ」
「大体真田の奴がもっとちゃんと・・・。ん?」

あれはっ!!
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