→がんだむ←
□ニュース
2ページ/3ページ
今日はエザリアの死刑が決まった日なのである。
もちろん息子のイザークは朝からテレビ局やら記者らに質問攻めを喰らっている。
たった一人の家族を失うことになるイザークに対し、周りのメディアは悲しすぎる結末だと同情していたのだが、当の本人の口から出た一言によって見事に崩されてしまった。
それは記者の一人がした、この質問から始まった。
「お母様が死刑になられるとお聞きしましたがこの判決は少々度が過ぎると我々は考えています。どうでしょうか」
まだ若く見えるその記者は緊張しているのか瞬きの数が異様なくらいに多い。
さすがに今の今まで国をリードしてきた人物の事ともなれば只事では済まされないのだから。
あまりにも直球な質問は逆に確かな真実を求めようとしていた。
この時代に一人残されてしまった哀れな息子の心境を
少しでも多くの人に知ってもらうために。
もう二度と繰り返さないと誓ったからには。