→ぷりんす←

□秘密
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朝から浮かれっぱなしの氷帝学園中等部三年跡部景吾15歳。
栗色の髪を風に靡かせ、蒼く輝く瞳からは人を寄せ付ける何かを放っている。
白くて滑らかな肌は太陽の日差しを浴びて透き通っているかのようだ。
そんな彼が今日は少しだけ違っていた。
黒いベンツから下りたときも、教室に入ってきたときも、自分の席についた今でも。

いつもの鼻にかかるような笑みではなくて素直にあどけなく笑っているのだ。
携帯でメールを打ちながら。
もっと正しく言うならば「ニヤニヤしている」
それはもうあり得ない。
なのに女子からの黄色い声はクラス内だけに止まらない。
他のクラスや下級生の、それに何故か高等部の人たちと先生方にまで広まっていた。

何故そこまで盛り上がっているかと言えば皆、跡部が誰とメールしているかを知って
いるからだ。
メールの相手は手塚国光。
それも只のお友達なんてレベルではない。
世に言う「恋人関係」にあるのだ。
これに周りが反応しないはずがない。
特に跡部ファンは興味深々だ。
中には跡部と同性の奴等だっているくらいで。
それにすら気付かずにフェロモン撒き散らしっぱなしの跡部だから
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