ボロキレノベル

□ピザ曜日
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そんな風にじゃれ合っていた所に、バイクのエンジン音が響いて来た。
それはクラブハウスの前で止まったように聞こえる。
何かと思って、僕は抵抗するルルーシュを抱きしめたまま窓に近寄った。
カーテンを開けて下方を見れば、

「あ、ピザハット」


ルルーシュってば今日もピザらしい。
ホントに好きなんだねーと声を掛けようとして、腕の中のルルーシュを見下ろした。
…のだけど、彼は物凄い剣幕で「アイツまた…!」なんて唸っていたものだから、何も言えなくなった。
え、何その反応?

「ルルーシュが頼んだんじゃないんだ」
「え、あー…最近ナナリーも好きみたいでな」
アイツ、ってナナリーのこと?
そんな呼び方するのか、意外だ。



僕らが見守る中、玄関では咲世子さんが配達の人に代金を渡していた。

途端、ルルーシュはするりと僕の腕から抜け出て、ドアへ向かってしまった。
「ルルーシュどうしたの」
「スザクもピザ食べるだろ?取り分けて持ってくる」
「じゃあ僕も手伝うよ」
「いい!ホストは俺なんだから、お前はゆっくりしてろ!」
「え」
「なっ!!」
ほぼ命令口調だった。
ルルーシュの勢いに押され僕は思わず数回頷いてしまった。
何をそんなに力んでいるのやら、僕にはさっぱりだったけれど。
それを確認するや否や、彼は物凄いスピードで部屋を出ていった。
そんなにピザ楽しみだったのか?




「何ピザだろう、エビマヨがいいなー…」

取りあえず、ピザを抱えて帰ってくるだろうルルーシュを、ここで待つとしようかな。
お腹も減ってることだし。




【END】


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