ボロキレノベル

□ピザ曜日
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それにしてもルルーシュは細い。
僕の腕の中にすっぽり収まってしまうくらいに。
そう、だからこその心配事だってある。
部屋に香りが染み付くほどピザを食べてるなんて、やっぱり心配になるじゃないか。

「ルルーシュ」
「なんだ?」
「ピザの食べすぎでデブルルにならないでね」
僕はどんな君でも大好きだよ。
人間は見た目じゃないって解ってる。
でもやっぱり、ルルーシュにはこの綺麗なルルーシュのままでいて欲しいと言うか…
ごめん、正直に言う。
僕やっぱり君の見た目大好き。
この綺麗な外見をなくして欲しくないです。

「…なる訳無いだろう」
呆れたのだろう、僕の腕の中のルルーシュは大きな溜息をついた。
そうとも言い切れないだろ?
本当気をつけて欲しいよ。



「しかし部屋がピザ臭いというのには気がつかなかった…そんなに臭うか?」
そう僕に聞くルルーシュの声はいつになく真剣だ。
うん、ちょっと気になる程度には…と答えれば、彼は「消臭剤でも置くか」なんて真面目に言い始めた。

「好きならこのままでもいいんじゃないかな」
食べすぎは心配だけど。
「いや…だがお前にまで臭いが移るのは忍びない」
わ、うわぁ。
僕にまで、だって。
僕のためにそんなに真剣に消臭のこと考えてるなんて。
いや、考えてることに色気なんてないけど。
嬉しいじゃないか、嬉しいじゃないかやっぱり。

「ルルーシュ…」
「どうした」
「かわいいなぁ…」
「お前は馬鹿か?」
憎まれ口を叩きながらもほっぺたが赤くなる。
そんなところが可愛いんだってなんで自覚してくれないんだろう。
犯罪だよルルーシュ!

僕は更にきつくルルーシュの身体を抱きしめた。
彼は腕の中でその細い身体をよじる。
「よせスザク!苦しいっ」
「ピザ臭なんて着く隙無いよ、僕の身体にはいつもルルーシュのいい香りがついてるから」
「お前はよくもまあそんな歯が浮く台詞を吐けるもんだなっ…!」
「ルルーシュは恥ずかしいの?」
「当たり前だろ!」



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