ボロキレノベル

□枢木准尉とボク
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「ロイドさん、今日は何時頃上がれそうですか」

スザクがお決まりのセリフを吐いた。

「おめでとう〜、今日は23時まで勤務だよ准尉」
セシルが作った妙なオニギリを頬張りながら、特派の放蕩貴族、ロイド・アスブルンドは言う。
まったくこのパーツはすぐに帰りたがる、とケラケラ笑うと、隣にいたセシルが「もう!」と憤慨する。

何故おめでとうなどというかって。
准尉が落ち込む姿を見るのが楽しいからに決まっている。

アットホームな雰囲気が漂うこの特別派遣嚮導技術部では、そんな光景がしばしば見られた。
第七世代試作型KMFであるランスロットを、易々と操る「デヴァイザー」の枢木スザク。
それだけで興味を引くには充分だというのに、彼のこの性格と来たら、からかい甲斐たっぷりで、楽しくて仕方が無い。
もともと曲がったことが大好きなロイドは、彼の存在を酷く嬉しがっていた。

「ねぇねぇスザクくん?なんで毎日そんなに時間を気にするのかな」
特に、このネタで突っかかると、彼の「面白味」は最高潮に達するのである。
なぜなら、これを聞くと当のスザクが顔を真っ赤にするから。
「そ、それは…っ!」
「恋人でも待ってるのかなぁ?」
「!!」
あからさまだ。
ロイドはまたケタケタと高く笑った。

「もう、スザクくんをからかうのもいい加減にしたらどうです」
セシルのお咎めももう慣れっこだ。
ロイドはこの遊びをやめる気など毛頭無いらしい。


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