デュラララ!!
□回想
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「シズちゃんさえいなければ、上手くいってたのにな」
臨也は悔しそうに唇を歪めると、窓から差し込む夕陽を遮るように、今日の報告が書かれたパソコンのモニターの角度を変えた。
「どうして、そんなに平和島静雄さんを気にしているの?」
波江が資料から顔を上げながら言った。
「気にしている?
してないよ――。
憎いだけだよ」
「そう?私には愛しくてたまらないとしか、聞こえないわよ」
「あはははは・・・。
子供の頃はシズちゃんのこと乱暴者だけど、単純で可愛いとか思ったこともあるけどね」
「へえ――、そんな時もあったの?」
子供の頃の臨也こそ、少しは可愛げがあったのだろうか――と思いながら、波江は臨也の顔を見た。
臨也は立ち上がると、ソファーに腰掛けながら、ふと昔を思い出していた。