銀魂

□台風のあと
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「つーかさ。お前の攘夷活動って、なに?」


大型台風が江戸を横断し、かぶき町を水浸しにして去っていった翌日。

銀時は公園に来ていた。

公園で寝泊りしているマダオの身を案じて、様子を見に来たのだが、当のマダオは至って元気で、吹き飛ばされた廃材を集めて新しい家を作ることに夢中になっている。

イメージしている家の形があるのか、廃材を種類ごとに分けて、山のように積み上げている。

背丈ほどまで積み上げられた廃材の山から、顔を出したのが、ヅラだったのだ。

廃材を手に持って、マダオの指示通りに動いているヅラの様子を見た途端、銀時は不機嫌になっていた。



「攘夷活動か?なんだ、銀時。俺の活動を知りたいのか。お前がすぐに参加できる活動もあるぞ。早速、実践で教えてやろう」


廃材をマダオの横に置きながら、ヅラが笑顔で答えてくる。

「俺がいってるのは、そういうことじゃねーんだよ。なんで、てめエがここにいてるんだよ」

「なんだか知らないけど、家が流されちまったとかでさ。俺が家を建てるって言ったら、一緒に住まわしてくれって言うからさ」

ヅラを助手のように使っていることを咎められたと思ったのか、マダオが説明してきた。

「世話になって、すまないな」

マダオの説明を肯定するかのように、ヅラがしおらしく答える。

「俺の方こそ、家作りを手伝ってもらってよぉ……」

「ちょ、ちょっと!ちょっと待て!」

「どうした銀時?」

「お前ら、一緒に住むとか、本気で言ってるのか?」

二人の会話に、今までにない親密さを感じて、銀時は動揺していた。

「エ…エリザベスは?」

「それがな。今、長期休暇中でな。家が流されたって聞いたら心配するだろうな」

「家財道具一式、流されたんだってさ。それを聞いて、困ってるだろうと思ってさ。ここなら家賃もいらないし、水道やトイレもあるからさ」

最低限の家財道具しか持ってないマダオに心配されているヅラが、哀れになってきた。



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