銀魂
□晴天の流れる雲
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青空の中、エリザベスのパラシュートでゆったりと落下していく桂の腰にしがみつきながら、銀時は耳に響く銃声がだんだんと遠くなっていくと思っていた。
「・・・始まりはみんな同じだった・・・
なのに・・・」
独り言のように呟きながら空を見上げている桂の目線の先には、船の甲板に立ち、こちらを見下ろしている高杉がいた。
「随分と遠くに離れてしまったものだな・・・」
ふと桂の目の色が曇った。
銀時は、高杉が立つ船を見上げた。
船は小さくなり、高杉の姿を確認することもできなくなっていた。
――ヅラぁ、おまえが言っているのは、なんの距離のことだ?
いつまでも高杉の船を見上げている桂の腰を強く抱きしめた。
そして、桂の問いかけにぶっきらぼうに答えた。
「ラーメンこぼして捨てた」